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チョコレート、無念の思い出

2019 / 2 /14

これは、かつてPAOSがデザインしたチョコレートの商品写真です。
ここには、毎年バレンタインデーが近づいてくると思い起こす、残念な思い出が秘められています。


パーソナル・ギフト用に開発した様々なチョコレート
090911_w.jpg

写真のごとき各種多彩なチョコレートが華やかな新シリーズ商品として売り出されたのは、1986年のことです。当時わが国のチョコレート業界は、確か年間の80%以上がバレンタインデーの時期に売れる、という偏った市場構造でした。
そうした中、「思い切ってチョコレート市場に打って出たい」との依頼が、クライアントであるユーハイム社の河本武社長(当時)から寄せられました。積極的な市場戦略を展開しようとする洋菓子界の老舗からの申し出には私たちも大いに賛同し、生活に彩りを添える成熟型の市場形成に協力を、と意気込んで商品開発やパッケージデザインの魅力化に取り組んだのでした。

ところが発売して間もなく、とんでもない問題が発生しました。
業界には「商品が容器の70%以上を占めていないものは流通させてはならない」とのルールがあるというのです。詳しい経緯は私共には分かりませんでしたが、同業他社からその規定を元にした指摘があったとのことでした。
確かに見せかけのボリューム感でごまかす悪商法はあり得るので、消費者をだましてはならないとするまっとうなルールとも思えます。しかしこのチョコレートの場合は、まわりのスペースをも含めて送り手の遊び心やセンスを表現しようとした成熟市場型の新感覚商品であり、決して欺いて嵩(かさ)上げ効果を狙おうとの目的ではありませんでした。とは言え、物量重視の当時としては無視できない法規ではありましたので、河本社長は直ちに市場から一切の商品を撤収する決定をなされたのでした。

贈答文化が欠乏充足型の物的価値第一主義に消し去られた、無念の事例の思い出です。



投稿者 Nakanishi : 2019年02月14日 10:20