中西元男 実験人生
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COMMENT

« 日本型CIの危機?メインあらためて考える「STRAMDの存在意義」 »

交通事故10年と、STRAMD第8期生募集

2017 / 2 /27

STRAMD(戦略経営デザイン人材育成講座)を起こして、8年目を迎えようとしています。目下、8期生の募集中ですが、私が何故こうした講座を企画したか、少し私的な理由を伴いますが、そのご説明からお話を始めさせて頂きます。


STRAMD8期生募集要項

丁度今から10年前に、私は大きな交通事故に遭遇しました。横断歩道を渡っていて、渡りきる1メートルくらい手前で2人乗りのバイクに撥ねられ、約10メートルも飛ばされたのです。よく生き残ったといわれるほどの大怪我で、3ヶ月間の病院生活を余儀なくされました。
間違えば、この世とオサラバしていてもおかしくない程の運命の大事故で、事故現場に駆けつけた赤坂警察の事故係のおまわりさんは「これは助からないのでは」とも思ったそうですが、幸い救急救命医療のある都立広尾病院のベッドがその時空いていて、そこに搬送されました。
その入院中に読んだ本の中に、優れた業績を数々残した元東京市長:後藤新平が死(1929年)の直前に残した「金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」の言葉があったのです。

私は、これまで一業種一社で仕事をやってきましたお陰で、多くの企業や経営者をはじめとする随分多種多様な方々とお目に掛かり、一般のビジネスマンとは異なった数々の得がたい経験をさせてもらいました。そこで、そうした自らのキャリアを今後の人づくりに活かせればと考え、2010年に始めたのが、独自のデザイン思考に基づくSTRAMDなる人づくり講座でした。
これも早いもので、来る4月で8期目を迎えようとしています。(大阪でもサテライト講座が行われており、東京の抜粋講座ですが、こちらは今年6期目になります。)

現在は、インダストリー4.0の提唱を例に引くまでもなく、大きな時代の変革期であり、歴史的にいろいろな事象が大きく変わろうとしています。ICT時代はもちろん、人工知能(AI)による革新はその典型的な事象です。
一説では2045年にはシンギュラリティ(技術的特異点)、すなわちAIが人間に追いつき、自ら新しい価値を作り始める時を迎えるとも言われています。これを危機と捉えるか進歩と捉えるか、人それぞれでしょうが、お手伝いさせて頂いているFRONTEO(フロンテオ)社の事例を通じて知る限り、大きな変革の時代を迎えていることは間違い無さそうです。
FRONTEO社は、KIBIT(キビット)という日本発の独自の人工知能エンジンを開発したわが国の誇るべきAI企業です。私なりの学習で見る限り、例えば、人の4000倍のスピードで文章を読み取るなど、AIが部分的に人を追い越すケースはどんどん多くなっていきますから、性能や機能、処理速度など平均的な能力で、人を上回る事例が多く出てくるのは、否定できない現実でしょう。


Gマーク大賞受賞表彰式(AIBO)

SONYのロボット犬「AIBO」がいよいよ商品としての役割を終えるようですが、AIBOは私がGマークの審査委員長を務めておりました際、強く推して1999年に大賞を贈ったものですが、「将来、高齢化社会がやって来たときこうしたロボットは大きな役割を果たすはずだ」というのが贈賞理由でした。ところがこの時、応募者であるSONYの当事者達は、「将来、我が社が本気でこうしたものを事業化するとは考えられない。新聞広告などを出すことも無いだろう。それが大賞を頂いては・・・」と及び腰でした。
以来17年、ロボティクスやAIは今やわが国の産業界全体の命運を左右しそうな勢いです。

ところで、私が今日のような経営コンサルタントに近い仕事をするようになったきっかけですが、元々は自身がデザイナーになるつもりでデザイン学校に通っていましたが、卒業を半年後にひかえた夏休みのある日、ふと「デザイナーは絵を描いたりモデルを造ったりすることは可能だが、現実に世の中にデザインされた成果を存在させる意思決定者が誰かと考えると、それは企業のトップではないか?」と気づきました。となると、製造業や小売業のトップにこそ理解され採用されるデザイン論や手法こそ重要であり、それも大切なデザインの仕事ではないか?と思い始めたのです。

そして、企業経営とデザインの境界領域を埋めていく研究こそ、作家作品主義を越えたデザインのビジネスワールドを展開してくれるもの、と考え、そうした分野の研究をするための時間が欲しいと、大学に入ることを考え始めました。大学に入れば4年間の時間が出来るからです。
そして、半年ほどの受験勉強の結果、早稲田大学に無事合格しました。1960年のことです。この在野精神旺盛な雑草大学に入学したことは、その後の私の人生に多大な成果をもたらしてくれることになります。

この年は、日本で初めての世界デザイン会議が開かれた年で、世間一般のデザインへの関心も高まりを見せ始め、早稲田にもデザイン研究会なるサークルが起ち上げられていました。ここで企業経営とデザインの問題を主たる研究テーマにする活動を始め、その頃では例の無かった徹底したVI(ビジュアル・アイデンティティ)をサークル活動に採り入れたり、総合大学にこそデザイン学部を設けるべきと、早稲田祭のテーマとして、「早稲田大学デザイン学部設置への試案」などを提案しました。すると、やがてこの研究会は私が大学院に行く頃には会員数500人を越え、全学部の学生が参加する大サークルにまで、発展していきました。


新入生勧誘パンフレット

会員募集風景

総会時の集合写真「予想もしなかった大サークルへ」

卒業後も、特に熱心にわが家に出入りしていた後輩たちが、研究活動をこのまま続けて欲しいと言うものですから、就職もしないでアルバイト仕事でつないでいるうちに、変わった連中がいるということで、デザインに関わるいろいろな新しい分野の相談が持ち込まれるようになってきました。日本発のブランド・コントロールマニュアルとなる「TDKデザイン・マニュアル」や三省堂の「学習百科事典」などのプロジェクトです。それらにはデザイン研究会時代からの研究活動が大いに役立ってくれました。


TDKデザイン・マニュアル

それらの延長で、やがて現在のPAOSという会社や事業が生まれ、研究と企画提案の交換関係の中から、気がついてみると半世紀近い年月と日本型CIとも呼ばれる独自ビジネスフィールドが出来上がり、「アジアCIの父」とまで呼ばれるようになっていました。

そうした経緯からもお分かりのように、私は基本的に実務屋です。一業種一社(原則)で積み重ねてきました実績を背景に、PAOSという会社が出来上がっていくのですが、その後のPAOSビジネスを総じて称するなら「デザインという切り札を持った経営コンサルタント」と呼んでよいのでしょう。

PAOSは設立以来約半世紀近い歩みとなりますが、物的量的成長社会を終えたこれからの成熟社会においては、「デザインは、これまでとは次元を異にした新しい存在価値や意義を持ち始めているのだ」と考えています。
そうした時代を担い行く人材創成を目的とするのが《STRAMD》なのです。
他の教育機関では見られない「実務型人材の異種混合」こそ、時代の価値創造を生み出していく、と私は考えております。



投稿者 Nakanishi : 2017年02月27日 19:22