中西元男 実験人生
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« 西新宿定点撮影44年、NHK放映、BBC放送番組メインPAOS設立45周年にあたり
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PAOS設立45周年にあたり
1/5「フィロソフィー・ブランド(社名)誕生」

2013 / 8 /27

130819_#45.jpg

永いというか、早いもので、PAOSは2013年4月1日をもって会社設立45周年を迎えました。
当初は、若く理想に燃えていた学生研究サークルの延長ということもあったでしょうが、ポスター1枚やパッケージ1個の制作などはデザインの目指すべき本来の仕事ではない、企業経営や生活全体に審美性や快適性を長期的・戦略的・意図的に取り入れ、社会全体に良い環境を創り上げていくことこそ目標とすべき、と考えていました。
そのため研究組織名は「グループ・デザイニズム(デザイン主義者)」と称していました。
下図はその際の趣意書と手づくりの第1号機関誌です。


デザイニズム趣意書(1965年7月1日)と機関誌(11月4日刊)

これはある意味では、デザインを個人や作家の仕事ではなく、組織的に価値創造を行っていくビジネスにすべし、それこそ重要なデザインの使命との方針でもありました。
そのため、後に決めたPAOSという社名も、Progressive Artists Open System(常に進歩的、創造的、組織的に最適解を出す)を略した呼称で、これら4つのキーワードはまさにわれわれがデザインというテーマに取り組んでいくための考えと姿勢を示す理念(フィロソフィー)ブランドであったわけです。その後、われわれはBenesse、早稲田大学文化構想学部、KENPRIA等々いくつかのフィロソフィーブランドを創っていくことになりますが、その嚆矢(こうし)がPAOS自身の命名でした。

こう書いてくると、いかにも理想に燃えて株式会社PAOSは起業したように聞こえますが、キッカケはその前に学生時代からの仲間4人が集まって、スタートした研究グループでした。

その時は私の個人事務所という組織形態をとっていました。
そもそも当初は、そんなに長く続くなどという発想そのものが持てなかったからです。
名称も、ビルの外階段を上って屋上の仮設小屋のオフィスまで行くところから「アップ・デザイン(UP Design)」という適当なネーミングでした。


最初の名刺

ところが2年経った春、当時自分で作成した青色申告書を持って杉並税務署に出かけたところ、それをジッと眺めていた税務署の方から、「これ位売上げがあるのだったら、ちゃんと税理士をつけ、法人化した方がいいですよ。」と言われたのです。ついでに「随分酒代もかかっているようですしね。」とも言われました。
確かに当時のわれわれは金と時間さえあれば、企業に就職していった昔の研究会仲間が集まって、しょっちゅう飲みながら新しいデザインのあるべき論に明け暮れていました。その話題の中心は、常にデザインと企業経営の関係に置かれていました。
ともあれ株式会社PAOSの誕生は、知恵の無い金の使い方をしているわれわれを見かねた税務署の方のアドバイスがきっかけだったのです。

今や韓国や中国で国際的著名商標のお墨付きを得ているPAOSブランドですが、ひょんなきっかけの法人ブランド誕生から、とうとう45年もの歳月が経ってしまったという次第です。まさに歳月人を待たずというか、結構、波瀾万丈の45年であったと思えます。

人は自らの来し方を振り返るとき、悪い想い出は忘れ、主に良い想い出を多く覚えているものだと言われますが、どうも私は失敗や悪い想い出の方がはるかに多く思い出されてしまいます。でもそれを悔いてくよくよしている訳では決してありません。ケ・セラ・セラというか、いつも、「過去は決してつくれないが、未来は創れる」との癖(へき)が発想の根幹にすり込まれてしまっているようです。


初期の名刺と現在の名刺(マークは20周年で変更)



投稿者 Nakanishi : 2013年08月27日 11:22