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新年メッセージ
「“Design Thinking(デザイン思考)”から”Design Value(デザイン価値創造)”へ」

2013 / 1 / 7


新年おめでとうございます。

早々に賀詞を頂戴致しました皆様感謝申し上げます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


PAOS45周年と世界のデザイン
今年もいろいろ波乱の年明けになりそうです。
早稲田大学の学生デザイン研究サークルの延長としてスタートしたPAOS(Progressive Artists Open System)も、今春で遂に「設立45周年」を迎えます。必要とする課題に対し、見えるデザイン見えないデザインを合わせ「進歩的・創造的・組織的に最適解を求めていく」という創業の基本方針は今も変わっていません。
最近は世界的な傾向として、直接デザイナー教育を受けていない人たち、つまり、MBAやMOTといった経営系・工業系を中心にいろいろな分野の人が「これからはDesign Thinking (デザイン思考) の時代」と称し、デザイン発想の右左脳型クリエイティブ手法を採り入れる教育が盛んになってきました。
現況を見ていますと、その内容の大部分はプロダクトやサービスの商品レベルに止まっていますが、やがてこれが企業経営や自治体経営の根幹、即ち理念や方針レベルに至るであろうと私は推測しております。この流れは、わが国を代表する何社もの企業理念の構築を行うなど、PAOSが40年余いくつも経験してきた道程です。

私見では、世の中すべての流れが「人間力の時代」を問われ始めているからでしょう。
人間力とは、「体力+知力+感性力」の総合体ですから、企業も社会もこうした文化文明的完成度の高みを目指さざるを得なくなってきているとの見方を、私たちは創業期から持って来ました。実験会社PAOSも私の実験人生も、来し方を振り返ってみればそうした目標への挑戦の連続であったと思います。
世の中、やれCIだブランドだと時代ごとに騒ぎ立てますが、私はそんなことはどちらでもいいことだと考えてきました。要は、経営の核心に人間力としての価値創造を行い、成果を生み出して貢献できることが重要だからです。
その意味でデザインの持つ役割は、時代と共にますます重要さを増してきていると考えています。それは仮説法を前提とするため、事前に価値の定量化予測が成し難い、ソリューションやクリエイションとして難しさを伴いますが、実績として多くの成果を残してきたのが核・拡デザインのPAOS発想です。
http://www.paos.net/method/axis.html

世の中、私たちの仕事の歩みも、工業化、情報化時代と続き、最近ではこれらの発展形であるネットワーク化社会すなわち第三次産業革命時代説も生まれ始めました。
それを人間力主導で進めるために何をやれば良いのか?それは“Design Value Thinking”の推進でしょう。“Design Value Creation Thinking”と言ってもいいかもしれません。
そこでは、技術も経済も環境も、また人々との諸々の関係性も含め、人類の諸問題を全て美意識や快適性をもって持続可能な仕組みとして解決していく「予防医学」や「根源療法」が求められているのだと、私は考えています。

根源療法的国づくりとSTRAMD
その意味で、東日本大震災後の復興策は、わが国にとって次世代国づくり変革の絶好のチャンスと考えてきたのですが、現況はいろいろな分野からの対症療法的解決提案はあっても、わが国を造り直すための根源療法的な総合政策や戦略発想はほとんど見られません。この件については1年前も全く同様のことを書いております。
世界を注目させながら日本が新たな国をデザインしていく、この絶好のチャンスを逸しつつある現状に、無念さを覚える毎日です。

PAOSはこれまでの歩みの中で、依頼企業100社余の理念や方針の再構築から始め、多く、企業・事業・商品など各レベルの革新的提案を行い、多種多様なサクセスストーリーを残してきました。これがまさにPAOSデザインなのですが、中心を成したのは、いずれの場合も企業存立や経営のレベルからDesign Thinkingに基づくValue Creation (新価値創造)でした。それは決して世に言う一商品や一作品のみの開発話ではありません。
そうした発想を理解いただける多くの経営者との出会いにも感謝深謝です。
これまでのそうした幅広い経験や資料、ノウハウの数々を活かし、単なる処理屋としてのデザイン関係者を養成するのではなく、少しでも人間力経営や価値創造を可能とする人材を育成していこうと始めたのが、2010年4月開講のSTRAMD(戦略経営デザイン人材育成講座)です。2013年には思い切って会場やプログラムを変えて4期生を迎える計画で、大阪・札幌にはサテライトも開設します。

STRAMDのきっかけになったのは、後藤新平の「金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」なる言葉でしたが、これまで3年間の受講生は約80名で、年齢は20〜60代(平均年齢36才余)、普通なら出会うことの無い実に幅広い職種・経験・資格を持つ人たちに、業種業態の垣根を越えたチームプレーに重きを置く問題解決の訓練を、主に刺激触発型教育を前提に学んで頂いております。
STRAMDとは、言ってみれば受講生達にとって「仕事人生の第二段ロケットへの再点火」でもあるのです。事実、STRAMDでの学習を起点に、新しい事業展開や協業の成功者が数多く出てくれています。最近では、上級クラスの設置要請や、受講生達による新しい法人設立の希望まで出ております。
因みに、第3期生チーム研究の後期課題は「世界を驚かす、ワノベーション」です。

昨今は、デザインとは表現を中心とする作家作品主義としてのそれに、かつてと比べてむしろ偏じてきていますが、そうしたデザイン界全体を見直す時がやって来たと思います。世界のデザイン潮流は明らかにそうです。
事業や企業、そして社会を未来に向けてデザインしていく時代に入ってきたと考えています。

さて、どこからDesign Value 創造に手を付けていくべきでしょう?

2013年正月

PAOS
中西元男



投稿者 Nakanishi : 2013年01月07日 13:43