中西元男 実験人生
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2012新年
「今、変革の時。半世紀の“THINK CREATIVE”から想う」

2012 / 1 / 5


2011年は外的環境や仕事上で、まさに想定外の年になってしまいました。もちろん大地震による災害が最も大きな影響力を持ったのですが、それを別にしても日本という国は経済面まで含め、ギリギリのところまで追い込まれていることは疑いありません。一番の問題は、いろいろな分野で先を見通せるリーダーが出てこないという悲観的現実です。

よくピンチはチャンスと言いますが、どうもわが国の場合、この国難の時に、これからの在るべき姿を明示し、それを誰にでも分かるフレーズやキーワードに表現できるイニシエーター型指導者が現れていないというのが現実です。
例えば東日本大震災の復興に関しても、これまでいくつものアイデア提案がなされていますが、国の行く末を考え、大所高所からの革新を図り、その大方針の上に立って、それぞれの専門分野で貢献していけるアイデアの提示や行動が示せているとは思えません。

確かにボランティア等の支援活動や、建築分野などでの復興事例提案などは随所に見られますが、日本の国自体がチェンジすべきこの絶好のチャンスに、マクロ観・未来観を持った分野横断型の全体的指針提案は、どこからも出て来ません。要は、部分最適化はあっても全体最適が見えないまま時は流れていく感深しです。
これまでのブログでも述べて参りましたが、救急医療や対症療法の案は数多くあっても、予防医学や根源療法を持ってのそれにはなっていないのです。それは変革ではなく、所詮、調整やお手伝い、励まし役の域を越えません。

私は企業における同様の状況に何度も遭遇してきました。
そうした場合、当該企業の20年後、30年後を考え、その構成員の思いや可能性、企業存立の将来像に望みを馳せて指針を立て、目標に向かい「今何をやるべきか」を考えることが重要です。
いわゆる帰納法や演繹法が重要なのではなく、「仮説法こそ重要」なのです。
その具体的作業としては、企業理念や経営方針といった、当該企業固有の指針を示し、それを現・近・遠未来の具体的経営課題化し実行に移していくのです。
セキスイハイム、ベネッセ、ブリヂストン、INAX、三井のリハウス、NTT等、これらのクライアントは全てそうでした。
いずれも既に3、40年もの年月を経ていますから、今の従業員の皆さまはほとんど経営変革時の事実はご存知ないでしょう。しかし、PAOSの倉庫には、当初の計画案や資料がほとんど残されています。それを今後どう扱うのかが問題なのですが、、、。

企業で試みてきた独自の「知的美的経営」と同様の手法を、今、わが国自体が成すべきではないか?と私は考えています。
つまり、「30年後、40年後の日本国は国際的・地球的に考えて如何なる国で在るべきか」その仮説策定が重要なのです。
全ての復興作業、建設作業がその指針や目標に向かってのステップになっていけば、個別対応で起こる無駄も無くなり、気がつけば新しい国家存立への道程を歩むことになります。

この国は、現場の人たちや専門分野の人は素晴らしいが、リーダーがダメとよく言われます。その事実を今ほど露呈している時代はないのではないでしょうか。

これは、企業などでも管理職対象によく行う手法ですが、例えば現在の国会議員全員に、「日本は30年後どのような国になっているべきか?」という基本質問を出し、「それを実現するために必要なことを、他人に相談すること無く個人の責任において具体案を3案ずつ提出してください」と依頼しては如何でしょう?いずれも、解答は一問20字以内、全80字の制限内で書いてもらうのです。さすれば、国政を担えるに足る人物か否か、鼎の軽重はすぐに露呈します。

かつて、第二次大戦後の進駐軍総司令官ダグラス・マッカーサーは、この、自然は豊かだが、資源も無く、生産設備もほとんど破壊し尽くされた貧乏国は「将来、東洋のスイスになるべき」と考えたそうです。
このプランは、5年後の朝鮮動乱勃発でまるで別のシナリオに成っていってしまう訳ですが、いま一度わが国はこうした国家存立の基本指針を、将来の世界的な情勢とわが国の自然的・能力的位置づけの中で、考え直すべき時を迎えているのではないでしょうか?
私は、そのように考えております。

その際に重視しなければならないのが、ITを核とした「SCIENCE」と、文化を核とした「ART」と、わが国独自の{DNA}で、これら3極からなる「鼎立デザイン」をどのように計っていくか、それが重要なのです。私は大震災直後から、そうした世界に抜きん出る国家目標を「スマート・ネーション」づくり、と称してきました。

そのためには、これは企業へのコンサルティングでも常に申していることですが、「数の人」「理の人」「目の人」「愛の人」のバランスの上に立つことが重要ということです。

これらの詳説に関しましては、過去のブログの中でも折に触れ述べて来ておりますので、ここで重ねては申しませんが、将来指針さえ誤らなければ「現況のわが国が、独立自尊にして、作興の最大のチャンスに在ることは確か」というのが私の思いです。

自身の専門に照らし合わせて言えば、経営革新なくして長期的売上増や企業成長など無い、という経験の積み重ねは、国家づくりにおいても同様と考えています。
やはり、歴史的マクロ観を持って、目前のミクロ的解決に当たることが、今こそ肝要なのではないでしょうか。

2012年正月記 
PAOS 中西元男



投稿者 Nakanishi : 2012年01月05日 11:57