中西元男 実験人生
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新時代の人材育成「STRAMD(ストラムド)第3期生」募集と公開シンポジウム

2011 / 12 /26



今は、わが国自体が新しい国づくりに向かってスタートを切り直す時です。
それは、これまでの長い歴史の中で、常に範となるモデルを探し求め、独自の日本化を重ねることで発展してきた国が、そうした大目標を外に求めることが遂に不可能になり、今や独自のインフラを自ら創り出さねばならないことを、多くの犠牲者の方々と共に思い知った年だからです。
STRAMDで生み出したいと望む人材とは、こうした変革や価値創造を可能としてくれる人です。
http://stramd.kds.ac.jp/

わが国の近代化と呼べる明治時代以降、この国が範としてきたのは、基本的に欧米の文化文明でした。それは西欧科学とは、極力、人智で自然に立ち向かい対抗・抵抗していく姿勢でした。
ところがバブル経済の崩壊以降、経済的自立力を失ってしまい、未だにその呪縛から逃れられない侭にリーマンショックを迎えてしまったところに、加えて、この度の東日本大震災では、築き上げてきた欧米科学流の手法そのものにダメ出しをされてしまった訳です。そうした技術だけに頼る活用の基本方針そのものが、全く別の独自体系を求められることになったのだと言えるでしょう。
ギネスブックにも載るようは、高さ60mを越える防波堤が木っ端みじんになってしまう一事をとっても、自然への対峙方法では日本独自の対応策が要ることは明らかです。
地球上は十数枚の大きな地殻プレートで覆われ、わが国はその中の4枚ものプレートが集中した上に位置しているわけで、それが動いたのが今回の大震災です。基本的にヨーロッパやアメリカの東海岸とは自然条件が全く異なっていて、そこで発達してきた科学技術力の延長上では、この度のような自然災害には抗しきれない、わが国独自の対応策が必要になってきた。それが自明の理になったとの覚悟を決めなければならないというのが、この度の大地震の教訓です。

それを対症療法的対応に止まるのではなく、予防療法的・根源療法的にして、かつ国家百年の計を持って考えていかなければならない、それが今後への戒めではないでしょうか?

わが国は今後も貿易立国や観光立国で発展していかなければならないことも分かりきったことですから、とすれば東北地方の復活とは、独自の国づくりや先行産業の出発点であっていいはずです。
それは、私が震災直後の「スマートネーションづくり提案」のブログ原稿でも書いた通りで、その趣意とは、ITを駆使する「科学」とエンターテイメントや美的価値の創造を含む広い意味での文化「アート」と、わが国独自の自然環境、歴史や伝統文化、行事などを踏まえた「DNA」の3極を核とする、新しい国の在り方創出です。
STRAMDでは、こうしたことを理解でき、実行していける人材を、先ずその出発点としての芽や手法を身につけることから養成していきたいのです。

あとは異種混合の「人間関係づくり」で、これは受講生達の間で想像していた以上に進んでいるようです。
私も、今年は何だか忘年会が多いのです。しかも興に乗っていると帰宅が、2時、3時と午前様になることもあるので高齢の身にはこたえるのですが、STRAMDの1,2期の皆さんと飲み始めると、なかなか止まらなくなってしまって、楽しいからついつい長引いてしまうのです。
人間関係づくりの実りは、仕事上や身の上相談にまで及んでいるようで、平均年齢1期生38才、2期生35才を考えると、STRAMDは実に得難い貴重な出会いの機会です。人間なかなかこの年齢になってから真剣に議論し合える友人関係などつくり得ないものです。いろいろな職種や立場の、しかも年齢を超えた人たちが対等につきあえる環境の成果ゆえでしょうか。

STRAMDは「ニュー・ビジネススクール」と銘打っていますが、多分、企業経営に戦略性を持って、意図的・構造的・長期的にマーケティングマネジメントとアートやデザイン、つまり知的美的価値の経営レベルでの成果を、実践的ケーススタディを伴って見聞きできる講座は他には無いのではないでしょうか。
新時代のハイブリッド型マネージャーを生み出すのが目的です。

私は先般、講演を頼まれて中国は天津に出かけた際、現在、最も多くの国家予算をかけて都市開発が進む、新開発区のスマートシティづくりのねらいや内容にふれる機会に恵まれたのです。ここは面積的に上海の浦東開発区の4倍と聞きましたから大変な広さです。


090911_w.jpg

天津スマートシティの巨大模型。7割の自然エネルギー化を目指すとか。

でも、ここで描かれている構想は、実にSTRAMD的でした。
この構想におけるデザインイベントとは、諸分野のデザイナーはもちろん、政治家や経営者、大学教授など研究者まで参加してのデザイン論議と発表会で、わが国の作家作品主義的なそれでもなければ、物づくりや物的表現面だけを主にした工業化時代的価値観からは完全に一歩抜きん出たものでした。


天津国際デザイン展&シンポジウムオープニング式典


090911_w.jpg

展示会場と講演会風景

約17年前に天津開発区を案内され、「ここにPAOSの支社を設けて欲しい」と頼まれた時のただの草ッ原が、今や凄い新街区になっているのですから、多分、2020年を目指し、世界中の先端専門家や技術を集めて開発の進むスマートシティ開発も、中国らしい、少々粗々しくとも壮大なスケールの街となっていくのでしょう。ここ20年近く中国に出かけ、比較的連続的にして密に彼の国の発展を見続けてきた人間の一人として、そう思います。
特別のコネもありますので、来年暖かくなったら、STRAMDの受講生達と天津ツアーに出かける予定でいます。

お隣の大市場でもある中国で独自の国づくりが進むのであれば、わが国にも固有の未来構想があってもいいのではないでしょうか?
STRAMDはそうしたことを目指しての「人材育ちの出発点」なのです。
「モノやコトのデザイン」も結構ですが、私は「ヒトのデザイン」とその「仕組みのデザイン」こそ最も重要と考えているのです。

そうした考えや内容の一端に触れていただく機会が、この度の桑沢デザイン研究所http://stramd.kds.ac.jp/program/pdf/e3.pdf
主催の、1月14日(土)開催、第3回公開シンポジウム「企業経営をデザイン思考する」です。
入場無料、先着順ですから、ご興味おありの方は、どうぞお早めにお申し込み下さい。
ご案内リーフレット


零下の冬空の下、天津スマートシティの開発は進み行く



投稿者 Nakanishi : 2011年12月26日 20:43