2008年末、開業50周年の東京タワーが記念式典でライトアップされたことはTV・新聞等でも話題になりましたが、そのライティング「ダイヤモンドヴェール」の写真は、オフィスの窓から撮ってありました。
一方このたび見つかった記念パンフレットは、今の私たちから見ると実に粗末な印刷ですが、何か必死に頑張っていた当時の日本人への懐かしさが込み上げてくるような制作物です。それらを共にご覧下さい。


東京タワー完成時の記念パンフレット表紙


開業50周年記念当日のライティングされた東京タワー（「50」の文字が見えます）

東京タワーは、最近では、映画「３丁目の夕日」、小説「東京タワー 〜オカンとボクと､時々､オトン〜」、開業50周年行事等々、次々と脚光を浴びています。

1958年(昭和33年)の竣工当時、私は明確な目標も無いまま上京して間もない頃で、この年はデザインの道を目指し桑沢デザイン研究所に入学した頃にあたるため、記憶の中には結構鮮明に残っています。


ヒドイ印刷で分かりにくいですが、建設プロセス（記念パンフから）


完成後のカラー写真（記念パンフから）

ところで完成時の東京タワーは、高さ333mで、320mのエッフェル塔を抜いて世界一の高さを誇っていました。
竣工時のパンフレットを見ても、「世界で一番地震の多い、又世界で一番台風の多い日本で、純国産の資材と技術をもって独力で建設した世界一の自立鉄塔である」と誇らしげに述べられています。
その頃の新聞記事でいまだに私が覚えているのは、高さではエッフェル塔を抜いたが、鋼材の使用量は１／３だったことが自慢げに書かれていたことです。
当時は、「都市景観上の美しさ」については全く触れられていませんでした。
ついでにパンフレットに載っている面白い画像を２点おまけでご覧いただきましょう。当時の最新型のTVとオーディオの広告です。



さて、東京名所として偉容を誇ってきました東京タワーも、周りに超高層ビルが次々と建設されて電波障害が多くなりました。現在浅草に建設中の新東京タワー「東京スカイツリー」が出来た暁には、放送電波塔としての役割を終えることになっており、間もなくお役ご免の運命にあります。

この浅草の新東京タワーの方は、高さ610.58mで、これも建設当初は世界一の高さを誇る電波塔になるようです。


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