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« 事故怪我から一周年メイン昨年の事故入院時の記録から(その1) »

Panasonicへの社名変更・ブランド統一に思う

2008 / 2 /19


写真:新聞雑誌記事


「Panasonicへの社名変更・ブランド統一」
が驚きを与え、いろいろな記事掲載や波紋を呼んでいます。
このことに関し私見を述べさせていただくならば、いろいろ事情はあったでしょうが、今回の変更決定はいささか遅きに失した感の強い結論であったと言えるでしょうし、もう一歩踏み込んで個人的思いを言わせていただくならば、要は「同社の選択はブランド戦略上、最高のビジネスチャンスを失った」と考えています。

偉大なる創業者にして経営者:松下幸之助は、今回の方針策定を果たして本当に喜んでいるのでしょうか?ひょっとして同社は情報発信やイメージ・マーケティングという側面で「最高の歴史的チャンスを逃した」というか、せっかくの機会を小さな成功レベルにとどめてしまったのでは?と考えざるを得ません。
これまでの、「松下」という象徴記号や「ナショナル」ブランドでの赫々たる成果を振り返れば、Panasonicへの統一でさえ一大決心であったろう事は想像に難くありませんが、所詮は内部原理優先の帰結であり、顧客消費者発想が第一に置かれた結論とは思えません。
その意味で、同社は勿体ないショック療法的チャンスを逸してしまったと私には思えるのです。

本当はどういうコーポレート・ブランドネーミングの選択が良かったのかの問題は別として、このたびの変更で、もし思い切った「生活者優先のフィロソフィ・ブランド」が採用されていたとするならば、コーポレート・イメージマーケティング戦略やブランディング戦略的に、どれ程世界的に話題を呼ぶ効果を上げ得たろう、と考えますと、老婆心ながら今回の帰結は「同社が千載一遇のチャンスを手放した」という意味において残念でなりません。

「企業に美意識を、経営にデザイン発想を」と考え行動を取り始めて、既に40数年を経てきた訳ですが、これまでの諸プロジェクトを振り返ってみましても、長期的視点を持った戦略仮説を理念レベルから策定していくことの大切さを思わざるをえません。
そのことを考えてみても、内部判断としての今回のPanasonic的方針帰着も解るような気がしますが、いささか早計であったと思えてなりません。

これまでの仕事経験上の教訓から思うに、多くのプランニング段階において、まとめ上げることの上手い人は、一見見事な仕事師のように見えるのですが、数十年単位という永年の成果を振り返れば、フロー型仕事師は必ずしも企業に長期的益をもたらすとは思えません。むしろ変革時点では9割の人々の反対を招くぐらいの斬新な提案型仕事師の方が、ストック型の無形資産を企業経営の将来にもたらすと思えるのですが如何でしょうか?

相当の話題提供になりましたPanasonicの一石を機に、こうした問題を問い直してみることも決して無駄なことではないと、敢えて一文ものさせていただきました。



投稿者 Nakanishi : 2008年02月19日 14:59