中西元男 実験人生
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昨年の事故入院時の記録から(その2)

2008 / 2 /22

医師の先生たちと現代医学、そして大手術

(2007年) 1月15日、3人の手術担当の先生たちからご説明を受けました。主治医である形成外科の副島一孝先生、歯科口腔外科の和田森匡先生、整形外科の平尾雄二郎先生のお三方です。副島先生は、9.7メートル跳ね飛ばされアゴの先から落下したため3カ所が割れたり折れたりして滅茶苦茶になってしまった顔面下顎部の手術、和田森先生が歯が5本折れてしまったための口腔内手術、そして平尾先生が左膝下の複雑骨折部分の手術ご担当で、いずれもお若い方々です。

1月23日にいよいよ大手術が行われることが決まりました。3人の先生方は、全身麻酔の上で丸一日かけて行うことになる手術の経過説明と、「その時に金属板 (チタン) をここに挟み込みます」とか「こちらの骨を削り取って傷部損傷を補います」といった処置の詳しい説明をしてくださり、その内容に関する同意書に私と家族のサインを得た上での執刀となるとのお話でした。

細部にわたるご説明は良く解りましたが、その時の私は、これから自分が現代の最新医学を体験できるという聊かの興奮状態にあり、その貴重さを手術に際しての心配以上に強く認識していました。
私は命に関わる事故に遭い、手術の結果次第では今後の自分の人生にも多大な影響を与える話を聞いているわけですから、事の顛末は実に重要なのですが、他方でこんなことでもないと絶対に経験できないことが実体験できる己に、どこかでかなりエキサイトしている自分がいることも確かな事実でもありました。不思議な感じです。でも起こってしまった事実は仕方のないことですからね。

当日は朝8:45から夜まで丸一日かけての長時間手術になる予定とのことでしたが、もうひとつここで重要なのは麻酔です。勿論、全身麻酔をかけて手術にあたるわけですが、この麻酔の手順や内容の事前説明もなかなか解りやすいものでした。ご担当の山崎文恵先生は、女優さんにでもしたいような美しい方で、「手術中はずーっと私が横についていますから・・・」と言われ喜んでいたのですが、妻に「こんなキレイな方に一日ついてもらうのに、ご本人は意識が無いとは残念ね」と言われ、「そうだった」と己の不運を笑い合いました。

そして、事故後10日目にあたる手術当日。私は早朝から緊張感漂う手術室に運び込まれました。その様は、まさに映画かTVドラマでよく目にしていたシーンそのものでした。円盤形に取り付けられた天井のまばゆいばかりのライトがかっこいいなと思っているうち、僅か30分くらいで完全に私の意識は無くなってしまいました。

「終わりましたよ」と声を掛けられ目覚めるまでに、何と12時間半もの時間を要していました。右アゴの骨折部分の損傷が複雑で、予定時間を3時間半もオーバーする大手術になったようです。私本人は何だか20分ほど気持ちよく眠ったといったイメージしか持たなかったのですが、手術を担当していただいた先生方や看護師の皆さんはさぞや大変だったろうと、余りの長時間オペに驚き感謝の思いでイッパイでした。また、控え室で情報も無い中じりじりと常識を超える時間待ち続けた家族たちの気持ちも察するに余りありました。
ともあれ、大手術ではありましたが、結果は大変うまくいったようでした。その後、とんでもなく苦痛な治療と大変なリハビリ生活が待ち受けてはいたのですが・・・。



投稿者 Nakanishi : 2008年02月22日 12:00