中西元男 実験人生
HOME
PAOS
WGD
NAKANISHI'S PROFILE
実験人生のテーマ
このブログでは、カテゴリー分けに出来ないため、
テーマを色別で表示しています。


■PAOSノベルティ

■PAOSクルーザー
新着ブログ
ARCHIVES
COMMENT

« Panasonicへの社名変更・ブランド統一に思うメイン昨年の事故入院時の記録から(その2) »

昨年の事故入院時の記録から(その1)

2008 / 2 /21

1年前の交通事故では、都立広尾病院にちょうど2ヶ月入院しました。
入院時には時間だけはたっぷりありましたので、思いついたこと経験したことをかなり克明に記録しておりました。
未だ完全回復とは言えませんし、後遺症の心配が無いわけではありませんが、とりあえずはほぼ現職復帰を果たしておりますので、事故後1周年を記念し、入院時にしたためた原稿をブログに発表して参りたいと思います。


病院が何だかオキナワのフンイキ

(2007年) 1月13日の交通事故後、最初は救命救急医療室 (ER) に運ばれ、いくつかの応急措置と検査を行いました。そして数日後に2階の救急病室に、更にひと通りの検査が終わると、今度は6階の6人部屋に落ち着くことになりました。
当初は、慣れない早寝早起きがいささか苦痛でした。相部屋ですから他の患者さんに迷惑をかけない配慮も必要なのですが、基本は夜男で真夜中の誰をも憚らず仕事の出来る時間帯が私のゴールデンタイムでしたから、重傷をも顧みず悶々としたナイトライフを送ったのでした。

入院当初の3日位は、顔はタテよりヨコの方が大きいくらい異常に腫れ上がり、体中あちこち打ち身だらけで、これもまた腫れ上がり黒ずみ、とても人間の姿形をしていなかったと思います。何日目かに最初に鏡で自分の顔を見た時は、特に右側の頬がおにぎりのように飛び出し、その異形には我ながらビックリしました。加えて当初は怪我の影響と薬の作用によるところが大きかったと思いますが、頭というか意識が朦朧としている部分もあって、特に朝の目覚め時が顕著だったように思いました。

この頃、早朝いつも「オレはオキナワにいる」と思いながら目覚めていることに気がつきました。3日間ぐらい毎日そうなのです。しかし、目を凝らして周りをよく見ると自分は先端医療の設備も整った環境の中で休んでいるのですが、どういう訳か目覚め時はいつも「自分はオキナワに来ていて、昨夜(ゆうべ) は飲んでつぶれてしまい、合宿所か宴会場のような所でそのまま眠ってしまった」と思ってしまうようです。振り返ってみるとこの不思議な錯覚状態の中で、毎日のように覚醒しているのです。こうした現象って何なのでしょうかねえ?

その原因を考えてみるに、この頃はまだ相部屋に入っていましたので、空間を仕切る隣のベッドとの間の仕切りが、病院にはよくあるアイレストグリーンという淡いみどり色のカーテンなのですが、下部は遮蔽効果のある普通の布で、上部は空気の流れを遮らないような1cm位の粗いメッシュ状になっていました。そのカーテンが夜明けの光を映すイメージが、芭蕉布でできたようなベージュ色に見え、光の漏れ具合がまるでオキナワ的であるために、目覚めはいつもオキナワの雰囲気になってしまうようです。面白い不思議体験ですね。

デジャヴというのか、深層心理への刷り込みというのか、このあたりの幻覚は実に当初数日にわたり私の深層心理を支配し続けていて、毎朝「そうではないよ、お前は交通事故で都心の救急病院に担ぎ込まれ、最新の医療設備の中に今いるのだよ」と自らに言い聞かせ、徐々に記憶の修整をするところから始めている自分が不思議でした。

芭蕉布から漏れてくるようなやわらかい光の中で毎朝朦朧と目覚めることで、私は毎晩オキナワで飲み潰れ、その度に都内の先端医療施設にご帰還、との貴重な体験をしたようです。
これも命にかかわるような入院生活の余録でしょうか。



投稿者 Nakanishi : 2008年02月21日 15:03