中西元男 実験人生
HOME
PAOS
WGD
NAKANISHI'S PROFILE
実験人生のテーマ
このブログでは、カテゴリー分けに出来ないため、
テーマを色別で表示しています。


■PAOSノベルティ

■PAOSそば猪口
新着ブログ
ARCHIVES
COMMENT

« Taro君イタリアに帰るメイン事故怪我から一周年 »

2008年に向けて

2008 / 1 / 7

PAOSでは私自身の思いを中心に、毎年、年頭所感のようなご挨拶文を、年賀状としてではなく、来年に向けてという形で前年末に差し上げております。
年初のブログ原稿として、先ずそれをご披露させて頂きたいと考えますが、その中で、昨年1月に起こりました交通事故のことを明らかにしましたので、拙文を通じて詳しく事故と怪我の経緯をお知りになった実に多くの皆さまから、お見舞いのお返事をいただいてしまいました。お騒がせの段、申し訳なく存じながら、ご挨拶文掲出させていただきます。



※新年のご挨拶状

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2008年が素晴らしい年でありますように


2007年から8年に向けては、いろいろ波乱の多い一年でした。新年の仕事始めの週末に交通事故に遭遇し、警察の記録では9.7mも跳ね飛ばされ、ER(救命救急センター)に運び込まれて丸3ヶ月会社に出られない日々を体験しました。間もなく事故後1年になり、まだ暫くは検診・治療・リハビリ優先の毎日ではありますが、仕事の方も結構忙しくなりつつあります。元来、入院したことも大きな病気をしたこともない健康なたちでしたから、長期の入院加療体験は、周りからの支援のお陰で、有形無形多くの貴重な気づきや温もりを残してくれました。
とはいえ、やはり健康はありがたいものです。
皆さまの新たな一年の息災を、祈念申し上げております。

振り返ってみれば、40年
とりわけ学生ベンチャーを目指して起業した訳ではなく、企業経営に幅広くデザインを採り入れ、感性力や文化度の高い美意識ある経営体の実現を夢見たというか、それこそが新しい経済機関の具現化、在るべきデザインワークと考え、研究活動の延長でPAOSという会社を始めました。以来、今春でちょうど40年を迎えますが、研究と実践の中から、プロジェクトの数にして100件以上編著作60点余に及ぶ成果が積み上げられてきました。この間、苦節いろいろありましたが、多くの良きクライアントの皆さま、コ・ワークしてくれたスタッフたちには、さまざまな想い出と共に感謝あるのみです。関わる分野は、時代と共にCI、デザインマネジメント、ブランド戦略等々と様々に称されてきました。最近では、経営に感性価値が重要、企業の社会的存在価値が大切と強調され始めましたが、それらを創業時より考え、研究し、実践し続けてきた私たちにとり、何だか昨今の風潮は自らがタイムマシンに乗ったようにも思え、不思議な気持ちになります。

ひょっとすると実現、45年
元々、経営者に理解され採用されるデザイン理論・手法の開発を目指して、私が桑沢デザイン研究所から早稲田大学に進んだ結果、今日のPAOSも自身も在ると言えます。この志や歩みの中で最大の象徴行為が、日本の将来のため総合大学の中にこそ戦略的なデザイン学部を、と提案した「早稲田大学デザイン学部設置への試案」('62)の発表でした。これは、この国を理想的な文化大国にし、尊敬に値する企業創出を図るためには、デザインを理解し活用できる政治家・経営者・行政担当者・教育者等を生み出す人材養成機関が必要、との思いからでした。この若気の至りのような試みが、やがてPAOS独自のビジネス構築へと昇華していきます。そして今、営々と積み上げられた世界でも稀有な経験・資料・ノウハウ・実績などを背景に、新しい大学院が誕生しそうなところまで至りました。目下、勿体ないような応援団の方々、実力者揃いの推進メンバー共々、面白い段階に至っています。実現すれば、45年を経ての快挙と言えそうです。

面白い体験、15年
北京で特別講義をして欲しいと依頼を受け、中央工芸美術学院(現清華大学)に2週間出かけてから、今春で15年を迎えます。訪ねてみると午前中は確かに講義でしたが、午後は経済部副部長(わが国の経済産業副大臣)など多くの要人たちに次々と会わされ、「市場経済化にあたり指導をして欲しい」と懇請され、不思議な国だなと思いました。それを機に、デザイン系専門ソフトの会社としては多分最初の外資独資企業として生まれたのがPAOS北京であり、次いでPAOS上海も起こしました。最近は回数が少なくなりましたが、この間中国には80回以上、講演だけでも30回以上は行ってきました。そのプロセスで、私の尊称は先生→老師→大師と格上げされ、漢字文化圏のWebを見ると、上位にアジアCIの父とか神とか書かれています。さすが、最初に井戸を掘った人を大切にする国らしい対応と思います。こうした日中交流の成果の「15周年記念事業」として、漢字民族ならではの文化プロジェクトを、上海のスタッフたちと目下開発中です。

DECOMAS 21.5
日本でもアジア各国でも、CIやブランド戦略の分野は、「DECOMASー経営戦略としてのデザイン統合」という拙著をベースにスタートしたところが多いようです。この本の上梓が1971年、以来30年間10版を重ねるロングセラーとなり、出版社:三省堂は在庫常備の永久保存版にしてくれました。残念なミスから絶版に至ってしまいましたが、その後も評価は根強く類書のない名著と言っていただきながら、近頃の若い方にはご存知ない人々も多くなってしまいました。最近、もう一度この本を見直そうとの研究会が一年を掛けて行われ、私は参加できませんでしたが、その会名が「DECOMAS21.5」でした。確かに昨今のわが国では、経営資源として理念のデザインを2、30年計画で捉えたり、システムとして組織的に運用したりという姿勢が弱まり、結果、デザインビジネス総体を構造的に表層化・劣化させています。経営学はおおよそ20年で一巡すると言われますから、そろそろ「現代版DECOMAS」を著すべき時期が到来したのかもしれません。



PAOS & ワールド・グッドデザイン 代表

早稲田大学 広報室 参与
戦略デザイン研究所 客員教授

中西 元男



投稿者 Nakanishi : 2008年01月07日 16:30