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Taro君イタリアに帰る

2007 / 10 / 1

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ミラノ工科大学からインターンシップにやって来ていたTaro G. Paonessa君が、3ヶ月の研修期間を経て帰国していきました。
Taro君は、お母さんが日本人で、亡くなったお父さんがイタリア人というハーフです。名門ミラノ工科大学の、日本流に言うと学部生時代にはプロダクトデザインを学び、大学院ではコミュニケーションデザインを専攻しており、大学のルールで卒業前には必ずどこかの企業に2〜3ヶ月インターンシップ実習に行かなければならないということで、PAOSにやってきたのです。

この物語は、ある日突然フィレンツェから1件のメールが舞い込んだことに端を発します。
最初にお母さんから連絡をもらったのですが、「どうしてPAOSに?」と尋ねると、「将来はコンセプトデザインがやりたくて、その勉強ができそうな会社を探していたらPAOSのホームページに行きあたった」と言うのです。Taro君自身はカタコト程度の日本語は話せたものの(3ヶ月のインターン期間を経て見違えるように上手く話せるようになりましたが)、読み書きの方は全くといってよいぐらいできませんでしたので、お母さんにPAOSのHPを訳して聞かせてもらい、コンセプトデザインを主にしてビジネスをしている日本のPAOSに、どうしてもインターンとして行ってみたいと考えた、とのことでした。


彼は日本滞在中に、当然の事ですが語り尽くせない程いくつもの驚くべきことに出会ったと言っていました。一に日本の夏の蒸し暑さに辟易したこと、二に東京やPAOSのオフィスの狭さ、というかイタリアと比較して人口密度の高さに驚いたこと等々、多くのビックリ体験をしたようです。一方、そばやうどん、そして温泉が大変気に入るなど、日本文化との印象的な出会いも種々あったようです。


いよいよ帰国の日が迫ってきた週末、Taro君をわが家に招きました。何と日本では雲丹(うに)が食べたいという希望を持ってやってきたという彼のために、たっぷりと雲丹を用意した手巻き寿司パーティを催したのですが、その時、彼に「日本に3ヶ月位いて何か将来に影響しそう?」と聞きましたところ、「将来は日本で仕事をしたい」と言うのです。その理由は、イタリアにいても若い人には殆ど仕事のチャンスが無く、若いデザイナーが仕事に恵まれる機会はずーっと日本の方が多そうだから、だそうです。
イタリアなんてわれわれから見ると大変なデザイン大国で、チャンスなど日本よりは遙かに多いのだろうと勝手に考えていたものですから、Taro君の言葉にはいささか驚きました。そして、その後に続いて出てきた彼の言葉にはもっと驚きました。
彼は将来日本で仕事をするために「まず英語を完璧にしたい。そのために英語圏の国に何年か滞在し、もちろんその間に日本語の読み書きもできるようになって、その後日本に来たい」と言うのです。何という周到で計画的な構想なのでしょう。先日届いたメールには、ミラノか東京でビジネススクールにも行きたいとありました。
Taro君のような人材が、コンセプトデザインの仕事を中心にこの国での仕事をするようになった時、日本のデザイン界もきっと変わっていくのだろうなと思います。


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いよいよ帰国を控えた日の夕べ、スタッフ一同でTaro君の送別パーティを催しました。イタリアでは食べられない肉料理が希望とのことでしたので、皆で楽しくしゃぶしゃぶの鍋を囲み、なごり惜しい気持ちを抱きながら別れの宴を持ったのでした。


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投稿者 Nakanishi : 2007年10月01日 16:34