中西元男 実験人生
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COMMENT

« どうして「デザインは工業化時代から抜け出せないのだろうか」メイン亀倉先生との思い出1「DECOMASの推薦文」 »

安比高原まで「亀倉雄策作品」を見に行った話

2007 / 7 /17

ここのところ、事故後のリハビリも一段落し、お陰さまで調子は大分良くなってきました。
そのため、治療が第二段階に入り歯のインプラント等の本格対処に入ったのと併せて、仕事の方でも急速にスケジュールが詰まり始め、結構忙しくなってきてしまいました。気がつけばブログ原稿の方も、お伝えしたいと思うことも多く、書きかけが20編近くもたまってしまったという状況です。そんな中から少し整理をしてご披露して参りたいと思います。


まずは、6月の初めに遠路出かけた安比についての原稿からアップしてみます。



新幹線で東京から盛岡へ、乗り換えてJR花輪線で安比高原駅へ、そして迎えのバスで安比高原ホテルまで、東京から大リゾート地に男一人でやってきた客(私)に出会う人は、みな不思議そうな顔をしていました。


そもそも秘書がホテルの予約を行ってくれました段階から、宿泊予約でもレストランの予約でも「おひとりですか??」と問い返されたそうです。


確かにやって来てみると、美しい白樺林やブナ・ナラ・ハンノキなど古代の食用にもなった樹林をはじめ、ここ岩手の新緑は実に美しいのです。要はこのようなロマンティックな自然のまっただ中に、男ひとりでやってくるような野暮な人はほとんどいないようでした。



そして、着いたのが少し遅かったということもありますが、8時からの夕食時には広い食堂の中に客は僕一人だけでした。見ようによっては、スキーシーズンでもない今頃に、杖をつきながらはるばるやってきた客は、周囲からはまるで自殺志願者にでも見える、そんな雰囲気だったかもしれません。


では、なぜ僕が時間のやりくりをし、無理をしてそこまで出かけていったのか?その話をご紹介したいと思います。


ここ安比ホテルとスキー場は、建設にあたり亀倉雄策先生が総合的なディレクションとビジュアル面でのデザインを担当され、自らもよくスキーに行かれていたという施設であり、そうしたご縁からホテルのロビー、廊下などを使い「亀倉雄策 没後十年記念展」が開かれていたのです。その膨大かつ貴重な展覧会を見に出かけたという次第です。



生前「デザイン界の天皇」と言われた亀倉先生は、この世界で僕が最もお世話になった方であり、私の考えるデザインや仕事の最大の理解者であったと言ってよい方だと思っています。そんな先生の作品や業績の集大成とも言える作品展が、ここ安比高原ホテルのロビーや廊下などあちこちの空間を使いながら開催されていました。多分、これだけの規模の亀倉先生の展覧会を見るチャンスは今後無いだろうと考え、思い切って出かけたのでした。


展示の内容は、ほとんど公開されてこなかったお若い頃の作品やアイデアスケッチの数々、名作山なすポスターやシンボルマーク群、そして幅広い交流記録や貴重なTV出演など、これまでにお目に掛かったことも無いような記録が沢山展示されておりました。ひとことで言って、僕は完全にカメクラワールドにひとり浸り切っていました。そして、「無理をしてもやって来て本当に良かった」の思いでイッパイでした。


展覧会の内容を文字で述べ立てるよりは、まず、その展示の一端を、撮ってきたスナップ写真でご覧下さい。(美術館のような正規の展示ではないため、天井光の映り込み等画質の悪さにつきましてはどうかご容赦下さい)


ホテルのロビーや廊下を使っての手作り展示




アイデアスケッチも沢山見られ興味をひかれました。特にNTTのシンボルマークは、私にとっても思い出の仕事です。





企業や行事催事のシンボルマーク類も名作山の如しです。





代表作「東京オリンピック」をはじめまさに KAMEKURA World 表現美の極致です。










結局、スキー場での事故が原因でお亡くなりになられたのですが、もっともっと永く生きて活躍していただきたかったと残念でなりません。



投稿者 Nakanishi : 2007年07月17日 16:58