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TRONの坂村健博士おめでとうございます。

2006 / 10 /18

10月16日には、わが国IT世界の頭脳でありエンジンとも呼べる、坂村健博士 (東京大学大学院情報学環教授) が史上最年少で名誉ある日本学士院賞をお受けになり、そのお祝いのパーティが麻布の国際文化会館で開かれました。


坂村さんは「TRON」の発明者として著名な存在であることを知る人は多いのですが、私が昔から知るご本人は、そのような凄い学者とは思えぬほど、極めて腰の低い親しみやすい先生といった雰囲気の方です。



※祝賀パーティで頂いてきた近著


これまでも、ぴあ株式会社の矢内廣社長のご紹介を得て、地方への旅行にお供させていただく機会を得たり、若くして東京大学教授 (慶応大学出身としては初めて?) に就任された際にもお祝いの宴に招かれたりしてきましたが、その素晴らしい才能とお人柄に多くの人たちが魅了され続けてきた状況は今もって変わりがありません。


TRONといえば、わが国先端モノづくり産業の中でも、自動車・携帯電話・電子辞書から主要家電製品などの半分以上に組み込まれているという、まさに先端産業のインフラとも呼べる心臓部です。


コンピュータの基本ソフトの発明者としては、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏にも匹敵する存在なのですが、坂村さんの場合はB.ゲイツと違って自らの特許を全てオープンにされている点も著名なところです。この特許開示が、どれ程わが国産業界に大きな貢献を成しているか、その存在の価値を簡単に推し量る術もない程です。


また最近はユビキタス論なども世間的にかまびすしいところですが、こうしたユビキタス社会などという発想も外国からやってきたと考えている人も多いのですが、世界で最初にこうした構想を持ち「電脳住宅」などを実験的につくられたのも坂村さんに他ならないのです。




※TRONとDesignの書籍に電脳住宅も掲載されている。


この情報化時代におけるわが国の至宝ともいえる博士も、一時期は突如の外圧で政府からTRON開発禁止の命令が出されという悲劇に見舞われるのですが、TRONの価値を知る大企業の中堅技術者達が内々の協力で研究活動を支え、やがて時代が変わり、今日のように花開く時を迎えたことは有名な逸話です。


坂村先生はデザインについてもご興味をお持ちですので、私がコーディネーターを担当した際の「桑沢デザイン塾」の講師としてお出まし願ったりしたこともありました。


当日のお祝いの会場で「ところで、TRONの発想は一体いつ頃生まれたものですか?」とお聞きしたところ、「30才の頃」とのお答えが返ってきました。世界的な発明家の発想は28才位が多いと本で読んだ覚えがありますが、坂村さんも該当しているのかもしれません。


会場を辞す前に奥様に「ところで坂村さんは今おいくつですか?」とお聞きしたところ55才とのことでした。


TRONのこれまで四半世紀の成果も凄いものがありますが、先生はまだまだ油の乗りきった研究者であることも事実です。その面からも、私たちの生活が先生の頭脳で一体どこまで素晴らしく変革されていくことか、夢は尽きないところでもあります。


改めて、「日本学士院賞のご受賞」おめでとうございます。



投稿者 Nakanishi : 2006年10月18日 12:57


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