中西元男 実験人生
HOME
PAOS
WGD
NAKANISHI'S PROFILE
実験人生のテーマ
このブログでは、カテゴリー分けに出来ないため、
テーマを色別で表示しています。


■PAOSノベルティ

■PAOSクルーザー
新着ブログ
ARCHIVES
COMMENT

« TRONの坂村健博士おめでとうございます。メイン「刺激触発の教育」は可能だろうか »

アートのパワーはすごい、越後妻有「大地の芸術祭」

2006 / 10 /26

もうひとつ、パーティのお話です。




10月16日、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006お礼の会」が代官山のヒルサイドプラザにて、超満員の参加者を集めて開かれました。3年に1度のこの実験的催しが大きな盛り上がりを見せ始めたのは本当に喜ばしいことです。3回目となった今年度の盛況ぶりは、主催者:北川フラムさんの企画が完全に定着し、ますます発展の兆しを見せ始めたことの証左でしょう。応援団のひとりとして、実に素晴らしい成果との思いを抱いております。


フラムさんの話によると、2000年の初回開催時には現地で積極的に協力を申し出た地域はたった1カ所しかなかったそうですが、今では関わる県・市・町村と住民の方たちのほとんどが協力的になり、今回の総来場者数は、34万8,997人(対前回比170%)を記録したとのこと。芸術の力は素晴らしい。3年後の次回が今から楽しみです。




この秋はブログに書きたいテーマが山のようにありながら、新たにスタートした研究会活動への注力や依頼原稿等も多く、なかなかブログの原稿までは手が回りません。しかし、この「大地の芸術祭」はどうしても書いておきたいテーマの一つでした。現地に伺ってからは既に大分日が経ってしまいましたが、ようやくここに辿り着けたとの思いです。


そもそも、私共PAOSはかつてオフィスを代官山のヒルサイドテラスに置いていた時期もありましたので、そこでの先住民(?) 北川フラムさんとは旧知の間柄です。人物としての存在感も個性的で素晴らしく発想豊かな方なので、当時、世話人をしておりましたIBMの伊豆会議メンバーとして推薦したりもしてきました。今ではフラムさんの方が主要メンバーです。


「大地の芸術祭」の件は、ベネッセコーポレーションの福武總一郎会長から「このトリエンナーレを世界的なアートの祭典に育てていきたい」とのご相談を受けていたこともあり、微力ながら支援企業のご紹介などもして参りました。


6年前にスタートし、2006年7月29日〜9月10日に開催された今回は、エリアも広がり新潟県十日町市を中心とする東京23区の広さに匹敵する山野田畑を舞台に、世界中から著名アーチストや団体が約200も参加して実に盛大に開かれました。一般応募作品も約4,000点にも及び、フラムさんは何とその全作品をひとつひとつ丹念に個人で審査していかれたそうです。大変な総合ディレクターです。


※応募作品の一例

そして、「選んでみると結果的に女性作品の方に圧倒的に優秀作が多く、最近はどうやら“雄々しい”という言葉と“女々しい”という言葉の意味が完全に入れ替わったのではないかと感じました」と興味深い感想を語られていました。確かに言葉は時代と共に意味や内容が変化・逆転する事がありますので、明らかな女性上位、女性に牽引されていく時代への移行と共に、実際そうなっていくこともありうるように思えました。この分では「雄時・雌時(おどき・めどき)」等の表現も、そのうちに意味するところが逆転してしまうかもしれません。かつて「憂き世」が全く逆の「浮き世」に変化していったように。


ところで、「大地の芸術祭」の見学にあたってはフラムさんから事前のアドバイスをいただき、「東京から20〜25人乗りくらいのバスを仕立てて出かけるのが一番いいですよ。私が案内しますから」とのことでしたので、9月2・3日の2日間をかけて23人のツアーで出かけてきました。


フラムさんのこのアドバイスは実に的確でした。広大な会場の中でさまざまに展開される作品を見て回るための足の確保という点でバスは必須でしたし、加えてこのクラスのバスはいわゆる大型バスと違い乗用車の入って行ける所なら大体は同様に動けるため、歩かなくてはならない距離も少なくてすみ、より効率よく鑑賞して回るにはまさしく最適の方策であったことが、実体験を通じて分かったのでした。


ともあれ全作品は330点もあり、われわれが2日間をかけて見たのは、ごくごくその一部です。そのまた一端を以下ご覧下さい。



※この辺りはコシヒカリで有名な米どころです。


●スー・ペドレー『はぜ』



●クイビーン・オフラハラ『涙雲』




●ドミニク・ペロー『バタフライパビリオン』




●たほ りつこ『グリーン ヴィラ』



●杉浦 康益『風のスクリーン』




●ジェームズ・タレル『光の館』




●藤原 吉志子『レイチェル・カーソンに捧ぐ〜4つの小さな物語』



●日本大学芸術学部彫刻コース有志『脱皮する家』




●金九漢(キム・クーハン)『かささぎたちの家』




●レアンドロ・エルリッヒ『妻有の家』




●半田 真規『ブランコはブランコでなく』



フラムさんは会期中は連日超多忙で、しかもこの時には足に怪我をされ杖を突いておられたのですが、殆ど丸一日おつきあいくださり、私共は大変恵まれた幸せな鑑賞の機会を頂くことができたのでした。特に、開催の理念や展示作品ごとの哲学にまで触れられたガイドは、本当に充実した素晴らしいものでした。


※北川フラムさんと一緒に記念写真


※北川フラムさんと中西のツーショット

芸術祭そのものの内容や詳細については、既に新聞・雑誌・TVと数多く紹介されてきておりますので、私の方から重ねての説明は省かせて頂きます。


この後の写真は今回私が特に感銘を受けた公募3作品です。

●戸高 千代子『山中堤 スパイラル・ワーク』




●行武 治美『再構築』




●菊池歩『こころの花 ― あの頃へ』




投稿者 Nakanishi : 2006年10月26日 19:27