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イタリア紀行2 (アルベロベッロ/マテーラ)

2006 / 4 /30


※アルベロベッロに向う車窓から見た、古いトゥルッロ。


さて、バーリから最初に出かけたアルベロベッロの街は、つい最近もNHKが詳しく紹介していたが、最近は日本でもかなり知られるようになっている。事実、日本からの観光客も多いようで、おみやげ物を売っているような店にもたくさん日本語表示が見られ、このような所までよく日本人観光客は足をのばしているものだと驚かされた。


アルベロベッロの街は、家の造り方に素材と工法両面で独特の工夫が凝らされており、街のスカイラインを築く屋根の連なりの奇観には目を見張らされる。そして、そうなったわけを知ってみるとなかなか合理的に家も街並みも造られていることが分かり、人の知恵の凄さに驚きを覚えた。


アルベロベッロ独特の住宅トゥルッロ(複数になるとトゥルッリ)は、15世紀頃から建てられ始めたようだが、もともとは村の戸数分の税金を課すという当時の税制への対策から、徴税の役人が来た時はいつでも簡単に壊せる独特の屋根形状にしていたという。このあたりの地層はキャンカレッレと呼ばれる石灰石の岩盤で、この石は叩けば平らに割れる性質を持っている。地表を掘って採石し、その石によって壁を築き家を建て屋根まで葺く。そして、石を掘り出した後に空いた穴を地下の雨水貯水瓶に利用するという、合理的な方法が取られているのだ。その結果がこの街の家並みの形成で、1,400棟もの家々が造られており、現在は世界遺産に登録されている。


※屋根に描かれた模様は魔除けだとか?何だか求愛のような画もある。



※アルベロベッロ:トゥルッリの連なる町並み。









※この屋根がある決められた場所を抜き取ると簡単に壊れることが可能というから不思議だ。



※キャンカレッレと呼ばれ、簡単に平板状に割れる特産の石灰岩。



※いかにも南イタリアの街といった風情の光景。

アルベロベッロの西方になるが、マテーラというこれまた不思議な集落がある。ここにはもともと1万年も前から人が住み始めたようだが、基本的にはサッシと呼ばれる洞窟住居群をベースに街づくりがなされ、奇妙な光景が深い谷を挟んで展開する。


入り口部分は普通の石造りの建築のように見えるが、永い年月の間にどんどん奥へと掘り進み、中は結構広大になっていたりする。ただ、横穴を掘って住宅を造るという構造上、下水や換気などいろいろ清潔上の問題も多く、イタリア政府も国の恥と言うことで別にアパートを建てて全住民を移住させたため、一時期は廃屋の連なりとして放置されていたようだ。
しかし近年、建築家たちが中心になりこの街の歴史的資産としての保存運動が起こり、現在ではかつての住民達が戻ったりホテルが出来たりで、新しい街・珍しい観光名所として、かなりリノベーションが進められつつある。


もちろん、ここも世界遺産としても登録されている。


ともあれ、マテーラの詳細は文章だけではとても説明しきれない。以下の写真でご理解頂ければと思う。




※マテーラは一見古い町並みのようだが…。


※建物の奥は全てご覧のような洞窟。






※Hotelは全て、"Bed&Breakfast"と表示されてあるのが面白かった。

地元の人に尋ねたところ、マテーラには洞窟を利用したレストランがあるとのことで、勧められた店に行ってみるとこれが大変立派なレストランで、味の方もなかなか良かった。しかしここにも日本語のメニューが用意されていたのにはちょっとびっくり。


食後に店の主人に頼んでみると洞窟内の奥を見せてくれたが、温度変化の少ない一番地底の部分は天然のワインセラーになっており、なるほど上手く利用されているものだと感心させられた。


それにしても、このように各洞窟が長年月の間に基本的には手掘りされていったのには驚かされる。しかもそれが谷を挟んで数え切れない程の穴居群として展開しているのだから、まさに奇観以外の何ものでもない。






※洞窟を利用してつくられているレストラン。









※一番地底が位置する所はワインセラーになっている。



※谷底を流れる川をはさんで、両側の急な渓谷に1万年も前からつくられてきた街。毎朝、汚物を川に棄てに行くのがその家のお祖母さんの仕事だったとか。



※アルベロベッロ〜マテーラと私たちを運んでくれたバス。なかなか乗り心地は良かった。



投稿者 Nakanishi : 2006年04月30日 17:43