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« 松屋銀座:山中かん社長の7回忌に「思い出すこと3」メイン早稲田に教えに行き始めて »

松屋銀座:山中かん社長の7回忌に「思い出すこと4」

2005 / 11 /17

※77年当時の都内百貨店の対前年伸びと松屋の飛び抜けた伸び、松屋は売り場面積を拡げることなく、2年半にわたる対前年同月比二桁以上の売上げ増を続けていくことになる。

もう一点松屋の改革で大きなポイントは内部に対する「集客第一主義」というコンセプトの採用にあったであろう。


プロジェクトを受け、松屋の社員の皆さんに「この会社の理念は何でしょう?社是は何ですか?」と聞いていくと、ほとんどの皆さんは「顧客第一主義」だとおっしゃる。だが当時の松屋は既にかつての固定客も次第に来なくなっている状態にあったし、新規客にとってもとても魅力のある店とはいえない状態にあった。つまり客も来なくなっているのに顧客第一主義を叫んでどうなるかという状態に当時の松屋は陥っていたといえた。

同時に「顧客とは?」と松屋の人たちに問いかけてみると「それは、買い物をしてくれた人」という答えが返ってきた。つまり店には来ても買い物をしなかった人は客ではないとの論だ。事実、夏の暑い日に買い物もしないで店の中を通過するだけの人にだって冷房費は100円以上もかかるから無駄な出費だなどとの発言も見られた。


私たちはこの発想を根本的に変える位相転換がなされない限り、松屋は蘇らないと考えた。つまり、百貨店ビジネスの原点はフェーストゥフェースの対面販売であり、都心のビジネスの基本は賑わいにあるのだから、購買以上に松屋の店内に人が溢れ活気づくことこそ商売繁盛の始まりであるべきだと考えた。それが「集客第一主義」発想の原点である。


集客第一主義の基本とするところは、来店客がたとえ買い物をしようがしまいが客として大切にされるところにある。つまり、松屋に勤める全ての人が、今、自分の前に立っている人が次にもう一度来店したいと思い、その際には自分だけではなく親兄弟や友人を伴って訪れたいと考えさせられるような対面サービス行動がとられていることを従業員全員に要求したのである。


これは松屋再建のための諸策のほんの一例だが、こうした結果が長く低迷していた百貨店業に再興の火を灯し、銀座の街の復権という今日に続く道を開いていくことになるのである。いずれも山中社長の経営的好判断の成果に他ならない。
今、ミスター百貨店:山中氏が生きておられたら果たして何をなさったろうか?


※朝日新聞に出された「銀座で一番好きな店俄然ナンバーワン」になった松屋銀座


※関連記事
松屋銀座:山中かん社長の7回忌に「思い出すこと1」
松屋銀座:山中かん社長の7回忌に「思い出すこと2」
松屋銀座:山中かん社長の7回忌に「思い出すこと3」



投稿者 Nakanishi : 2005年11月17日 10:24