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Gマークの存立意義とこれから (5)

2004 / 11 / 4

日本の産業の「内なる競争力」と「外なる競争力」の問題が鮮明になってきた今、デザインの市場や社会に果たすべき役割も自ずと明確になりつつあると思います。それは機能・性能・耐久性がどう、審美性がどう、文化性がどうといったモノや造形中心のデザイン価値を越えたところ、つまり、産業や社会、生活の中における「魅力や仕組みのデザイン」こそ、今や重要になってきているということではないでしょうか。

つまり、わが国企業は国際的に見ても生産性・品質管理・効率といった企業内で解決できる内なる競争力では強力な能力を持ち得ているのですが、デザインやブランド力を醸成して収益性を高めるという、外部との関係性構築の成果においては国際水準からみてもまだまだ劣ると見なされているのです。こうした結果は基本的に売上げは上がっているが利益が出ないという構造につながり、この面における貢献度という意味でのデザインの責任はまだまだこれから大きいといえます。Gマーク制度に期待される今後への大きな解決課題でしょうし、だからこそGマークの存立哲学と増賞方針は重要な関わり合いを持っているのです。言うまでもなく産業に資するデザインとは何かがベーシックな探求テーマなのです。

僕はこうした時代の新しい価値を創出するテーマを考える時、確かに評価基準やその仕組みをどうするかも大切なのですが、そうした How to よりも存在価値の大前提となる Why to を確立し、達成目標化し、共有化しておくことが何よりも大切だと常々考えているのです。これは30年余にわたる僕の仕事経験、企業のアイデンティティ戦略やブランド戦略構築の実務経験から来るものです。見えないデザインの戦略性が確立されていて、はじめて見えるデザインが単発では終わらない意味を持つのです。

対外的に大きなお金を使いながらもう一つ尊敬されていない国、海外からの観光客数世界35位という魅力小国であるこの国、ルイヴィトンを大衆商品のごとく普及させてしまう没個性好みの国、今後、わが国が尊敬に値する国として成熟化していくためには、文化成長が経済成長を牽引していく構造に変えていかなければならない、このことは自明の理です。「そのためにGマークはいかにあるべきか?」この原点を忘れてはならないと考えるのです。

5日にもわたり固い文章を長々と綴り続けて申し訳ありませんでした。これもGマーク制度を、この国のデザインを思えばこそとご容赦下さい。



投稿者 Nakanishi : 2004年11月04日 10:52