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Gマークの存立意義とこれから (3)

2004 / 11 / 1

早いものでGマークが民営化して既に7年が過ぎた、というか新制度になってから7回のGマーク賞が贈られたことになります。その民営化に際してはいくつかの方針と戦略のデザインを試みて来ましたので、ここでそのことを記録しておくのも無駄ではないでしょう。

1998年に「Gマークが民営化するので総合審査委員長を」と依頼を受けてお引き受けしたまでは良かったのですが、実はこれがなかなかの大仕事・力仕事だったのです。最初に当面した難問はこれまでの主催者である通商産業省(現経済産業省)が降りてしまい、(財)日本産業デザイン振興会主催という形に移行すると、これまで通産省と帯同してGマーク制度を支えてきた大企業も揃って応募を取りやめてしまうのではないかとの危惧でした。

そこで40年以上も続き、世界最大規模のグッドデザイン表彰制度であるこの仕組みを一度止めてしまうことの損失を冷静に分析することからやり始めてみました。企業のCIにおけるエクイティ(既得価値評価)調査のようなことをやってみたのです。まるでこの制度の生き字引のような青木史郎Gマーク部長(現同振興会理事)以下スタッフの皆さんも実に熱心に動いていただき、いろいろな評価ポイントが出てきました。それらの中に、たとえばGマークには何と合計14もの通産大臣賞が設けられているのです。通常、中央省庁が主催するこうしたプロジェクトでの大臣賞は一つといいますから、一度やめてしまうとデザイン界はこうした特典を全て失ってしまうことになるのです。

その後、これまでGマークに熱心に応募頂いた上位40社をリストアップし、各社のデザイン部門の長の方達に東京と大阪で計3回集まっていただき、懇親パーティを開きながら、Gマーク制度振興にご協力願いたいと要請をしました際にも、一企業がGマークを取れた云々ではなく、わが国のデザイン界の資産としてこのことを将来に向かい活かしていこうではないか、との説得をしました。その一方では一企業一部門の問題としてではなく、皆さんが属しておられるわが国デザイン界全体の問題を考え、たとえ落ちるようなことになってもいいから応募を続けて貰えまいかと随分乱暴なお願いも致しました。結果、その年のGマークには応募一切無しという会社もありましたが、多くは応募を続けていただけたのです。自主自立を旨とする民営化政策の結果、応募費用が相当高くなったケースも多かったにも関わらずです。嬉しかったですね。



投稿者 Nakanishi : 2004年11月01日 02:52