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早稲田大学にファッションショウを見に行って

2004 / 10 / 4

随分久し振りに早稲田大学の文学部の方に足をのばしてみました。何年振りいや何十年振りのことでしょうか。文学部の校舎は基本的には大先輩の大建築家:村野藤吾先生の設計になるものですが、僕は学部3年生から後を出来たばかりのこの校舎で学びましたから、今でも印象深いのです。

行ってみて先ず驚いたのは、門から教室への導入路になっている坂の横に植えられた何本かのメタセコイア(生きた化石と言われる植物)の樹があまりにも立派になっていたことでした。化石しかないと思われていたこの樹は、第二次大戦後に残っているのが中国で発見され、その種がアメリカに持ち込まれ、そのまた種が日本でも植えられたとの経緯を持つものです。高さが35メートル位まで育つのだそうですが、それ早稲田の樹はそれ近くにはなっているのでは?と思えるほど堂々たる巨木になっていました。

さて、その文学部の先に今では新しい学生会館が出来ていて、中では早稲田祭も間近のゆえでしょうか、いろいろなサークルが盛んに練習や活動をしていました。へぇーこんな所で大学生達がファッションショウなど本当にやるの?と聊かの不信感を抱きながら会場である地下2階の多目的ホールに入っていたのですが、始まってみるとこれがなかなかのモノで、よく考えられ構成されたショウの全てに感心しました。「学生の力って結構凄いな」と思うと同時に、正規の授業とは別に「こうした活動に心血を注ぐことが、この人達の生涯に素晴らしい何ものかを残していくのだろうな」と拍手を送りたい気持ちでした。

「黒毛のアン」とテーマされたこの発表は、既にインディーズブランドとして1年を経ているようですが、単独のファッションショウは今回が初めてのようです。そして、聞いてみると繊維研究会というサークル活動の一環とのことでした。僕がやっているPAOS や WGD の活動も、元はと言えば早稲田大学デザイン研究会という活動に端を発している訳で、その研究会が卒業時には会員500人を越える大サークルになっていて、勢いでオフィスを創ってしまったような所がありますから、この人達だって判りません。

このショウが面白かったというか感心したのは、コンセプト・デザイン・演出まで実によく考えられ計算されていたことでした。普通によく見るデザイン学生のファッションショウは、プロのリズムに乗った躍動感溢れるショウをそのまま真似っこしようとして、かえって学芸会のようになってしまうのがオチなのですが、「黒毛のアンのショウ」はイントロから最後の挨拶にいたるまで、実に静かというか静謐な雰囲気中で30点ほどの理念ドリブンな作品が見せられていくのです。案内状を見ると「ショウのテーマは“弱さ”です」と書かれ、「着ると言うことを常に考えながら、まだ何にも縛りつけられてない感性で(後略)」とコンセプトが明示されていました。

作品は代表:加藤哲朗さん(第二文学部表現芸術科2年生)のデザインで、もちろん、まだこなれきってないなと思えるところはいくつかありましたが、ディテールの批判など飛び越えて「良く考え計算されているなぁ」とコンセプチュアルなアプローチ全体とその仕上がりになかなかのモノとの思いを強くもちました。

江戸時代、元禄の頃には町民の間に習い事が流行り、中にはプロ以上のアマが沢山いたと言いますが、わが国のデザインワールドもなかなか面白い時代を迎えたと思えるような期待感を持たせてくれるファッションショウでした。



投稿者 Nakanishi : 2004年10月04日 10:09